バランスのよさで選ぶならホワイトハウスコックスの3つ折りウォレット

hata2ホワイトハウスコックスとの出会いは約9年前。Whitehouse Coxの綴りをWhitehouse Koxと間違えて、日本の輸入元であるグリフィンインターナショナルの英国人社長に「うちの財布は、白い家のオチンチンじゃないですよ~、ア~タ!」と怒られたのがファーストタッチ。お詫びの意味も込めて、定番の2つ折りウォレットと馬蹄型のコインケースを購入したわけです。

最初はデザイン的にも取り立てて特徴もない、まぁ強いて言えば、それまでナイロンのベルクロ財布(開けるときにベリって言うヤツね)を使ってた私にとっては、これでちょっとは社会人っぽくなれたかなって思う程度のモノでした。しかし、元々馬具を専門に扱っていた同社が使用する純英国製のブライドルレザーの味わいを、6か月……1年……2年……と使用していくうちにジワジワと感じていったのであります。私が買った財布の色がニュートンという薄い茶色だったということもあって、使い込んでいくに従い、飴色のような濃い茶色に変化する色の落差にモノを“エイジング”していくヨロコビを初めて感じたものです。またそれを支えるのが縫製力の高さなのです。いくら革が丈夫でも、縫いが甘ければすぐに財布はくたばってしまうわけです。たとえば財布の角の部分は、まるで餃子のようにわざわざ細かくいせ込んで縫い上げているのです。世の中の財布はペタペタとまるで折り紙のように折って、その上をざっと縫っているだけ(下手すればボンドで接着してるだけ)ですからね。法外な値段を取る高級ブランドの財布もけっこうこのペタペタ縫いが多いから要注意です。

とまぁ、ホワイトハウスコックスのモノ自体のハイクォリティぶりも感じながら、初めは“取りたてて特徴もない”と思っていたデザイン性にむしろ愛を感じている昨今です。2年前に、英国のウォルソールというところにあるホワイトハウスコックスの工場を取材したときにそのハイクォリティぶりをキープさせている現場をこの目で確認して以来、同時にデザイン性の高さに惹かれるようになってきました。とくに3つ折りウォレットというモデルは、発売中のBegin7月号でも「オンオフ・オスメス使える」と題した通り、あらゆる人が納得するデザインと機能性に着地していると思うのです。やや大ぶりで容量十分、それでいてジーンズの後ろポケットにもジャストで入る大き過ぎない大きさ、後ろポケットに入れてもヘタらないブライドルレザー&丁寧なステッチ、男も女も持てるユニセックスなデザイン性、色のバリエーションも豊富(全7色)、それでいてリーズナブル(税込み2万3100円)。長年ホワイトハウスコックスの製品を追い求めてきましたが、やっぱりこの3つ折りウォレットが最高傑作だと思います。

2005年6月 7日 ハタ | |

最強のバックシャン椅子、ハーマンミラー社のDCM

hata1私がこの椅子の存在をはじめて知ったのは、今から約8年ほど前に突如巻き起こったイームズブームのころです。イームズの存在を知ると、五反田の東京デザインセンターにあるハーマンミラージャパンに即、電話して

「あの~イームスというブランドの椅子はそちらに置いてますか?」
(その頃はイームズじゃなくて、イームスって読んでました、みんな)
「ブランドはハーマンミラーです。イームズはデザイナーの名前ですね」
「(汗……)」

いま思うとかなり青臭い質問をしたものです。カーイーエックスというクルマ雑誌からビギンに異動して間もないワタクシ。椅子といえばレカロのシート、家具といえば6・3・3で12年、コイズミ学習机くらいしか思い浮かばなかったインテリア童貞でした。イームズがチャールズ(♂)とレイ(♀)というおしどり夫婦のことなんて、そんなこと知るわけな~い! ただ単に爆発的に流行ってたシェルチェアが欲しくて欲しくて……。

その頃(1997年頃)のハーマンミラージャパンにはまだ家庭用家具をラインアップするハーマンミラーホームコレクションが存在せず、ひとり暮らしの部屋に使えそうな椅子といえばシェルチェアとこのDCMくらいしかありませんでした。あと、ほかは馬鹿デカいプロユースのオフィス家具。アーロンチェアがそのちょっと前に発表されて話題だったけど。しかも当時現行のシェルチェアは座面が布張りでしたし、流行していたプラステック座面のアンティークものとはまったくイメージが違う。そこで心惹かれたのがDCMのほうだったわけです。コイツは1947年の発表時からまったく印象が変わってません。

DCMとは、「ダイニングチェア・メタル」の略で、文字通り「食卓用のメタル脚の椅子」ということですね。ほっそりした脚に乗っかったゆるやかなカーブを描く”ポテトチップ”という愛称を持つプライウッド(成型合板)座面が乗っかってます。DCMの最大の魅力は、バックシャンであるところですね。椅子って部屋にあるときに、なかなか前から見ることが少ないわけです。大抵はテーブルの下に格納されてるので、いつも見るのは後ろ姿。だから椅子は見返り美人であるべきだと思うのです。

当時、私はDCMを2脚購入しました。脚部分もプライウッドのDCW「ダイニングチェア・ウッド」はその頃、アンティークものしかなかったですし、やっぱり脚までプライウッドだと狭い部屋には重たい印象になります。どっちがエライってわけじゃないですが、ホームコレクションができる以前から、ずっとハーマンミラー社にラインアップされ続けているDCMのほうが「定番」としての信頼度は高いといえないでしょうか。リビングが広くなった将来、また2脚追加したいと思う私的最強定番です。

2005年5月20日 ハタ | |